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藤井研究室

Simulation And Virtual Environment

東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻

1. 基本研究理念:知的シミュレーションによる知的人工物と環境調和型社会のシステムデザイン

社会・環境は、人間(Human)・人工物(Artifacts)・自然(Nature)が相互に深く関連する複雑系(Complex Systems)です。次世代につながる持続可能な(Sustainable)環境調和型社会を実現していくためには、それらの複雑系ダイナミクスを丸ごとモデリングし、シミュレーションによってその挙動を適切に予測しながら、調和を実現するための具体的な方策を見出していくことが必要です。

そこで、吉村研究室では、個々の人や人工物から地域社会・地球環境の様々なレベルにおいて、

  1. 物理現象モデリングの基盤としての計算力学
    (Computational Mechanics)
  2. 人間・社会・生態系モデリングの基盤としての知的情報処理
    (ニューロ、進化的アルゴリズム、知的マルチエージェント、仮想現実感等)
    (Intelligent Information Technology)
  3. 大規模な現実問題に定量的に展開するための基盤としての、超高速並列分散処理及びネットワーク
    (High-performance Computing & Networking)

の3つのキーテクノロジーを総合化した知的シミュレーション(Intelligent Simulation)に関する研究・開発・応用を通して、社会・環境の大規模高精度シミュレーションとシステムデザインに取り組んでいます。

研究テーマの一例を以下に示します。具体的な研究内容については、研究テーマの項を参照してください。

(1) 地球シミュレータ等による大規模計算力学シミュレーション
世界最高級の超並列計算機「地球シミュレータ」や各地に分散する計算機資源を活用するグリッド・コンピューティング等を用いて、自然環境や大規模複雑人工物の物理挙動(変形・破壊・熱流体・電磁現象等)を高速高精度に評価・予測する研究を行っています。
(2) 知的マルチエージェントモデルに基づく次世代社会・環境シミュレータ
現実の社会・環境問題解決に向けて、定量的で精密な評価データを提供し得る、高精度の社会・環境シミュレーションに関する研究開発を行っています。運転者や歩行者・路面電車等の知的エージェントを仮想道路環境に多数放ってそれらの相互作用をシミュレーションする交通シミュレータ、流況などの物理現象モデリングと微生物や小生物の食物連鎖現象モデリングを融合した干潟・浅海域シミュレータを研究開発中です。
(3) 生物メカニズムを模倣した知的人工物設計
昆虫の羽ばたき飛行や魚の泳ぎのように生物は自然界において巧妙な連成メカニズムを駆使して行動しています。それらを精密にシミュレーションする手法を開発し、それを利用して、単独あるいは集団で賢く行動する知的人工物の設計に関する研究を行っています。

figure: 知的シミュレーションと仮想実証試験・仮想社会実験

知的シミュレーションと仮想実証試験・仮想社会実験