3.1.1. マイクロヴォブル・アクチュエータの満足化設計
(松下技術研究所との共同研究)
シリコン加工技術によって作られる静電容量型マイクロヴォブル・アクチュエータの満足化設計に適用した。 このアクチュエータは、平面リング(ロータ)が3本の曲げバネを通して 中央部で支持されているのが特徴である。動作原理としては、周辺の電極(ステータ) を順次励起することにより、平面リングが励起された電極に順次吸引されながらころがり回転する。 本アクチュエータは摩擦力の発生を極力避けつつ大きなトルクを実現できるのが大きな特徴であり、 位置決め機構としての応用が期待されている。
本研究では、ニューラルネットワークを援用したデザインウインドウ探索法を用いて、 ある起動電圧Vを与えたときに稼動可能な寸法を求める満足化問題を解いた。 その結果、100Vで励起してもマイクロウォブルアクチュエータは回転しないこと、 一方、120Vで励起すると設計変数の選び方により運転可能となることがわかった。
発表論文
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"A CAE System for Micromachines: Its Application to Electrostatic Micro Wobble
Actuator",
Sensors and Actuators, Ser. A, No. 50, pp. 209-221, (1995)
(J-S. Lee, S.Yoshimura, G. Yagawa, N. Shibaike) -
”マイクロマシンのための統合化CAEシステムの開発”、
シミュレーション、Vol.15、No.2、pp.121-130、(1996)
(李準晟、吉村忍、河合浩志、矢川元基)