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吉村・藤井研究室

Simulation And Virtual Environment

東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻

4.2. ゴミ焼却場周辺における微量汚染物質の大気中拡散シミュレーション

近年環境ホルモン、ダイオキシン、などの言葉が頻繁に目につく。 普段こうしている間にも大気中に放出されていたり、 食物を通して人間の体内に取り込まれたりしている化学物質のことである。 環境中に放出されるダイオキシンの80%以上はごみ焼却施設からでていると 推定されている。狭い国土で世界最大量のごみが焼却され、 ごみ焼却施設におけるダイオキシン類の発生対策が送れたために 日本は世界の中でも特にダイオキシン濃度が高い。

最近では焼却場に排ガスフィルターが取り付けられるなどの対策がなされるように なってきているものの、Fig.1に示すように発生するダイオキシンの75%は飛灰 (フライアッシュ)などの物質に吸着して飛散することが知られている。 ダイオキシンそれ自体ではたいした重さを持たない。 しかし、吸着した物質(たいてい数?m以下)が重ければその分排出元の近くに落ち、 軽ければ遠くまで飛んでいく。そのため、現在のフィルターよりもよりよい フィルターを装着しなければならないのはもちろんだが、 同時に現在飛散し続けているこうしたダイオキシンのような 浮遊粒子状物質の拡散現象を定量的に予測し、 ダイオキシン排出源の周囲にどれほどの影響があるのかを 定量的に示すことが必要である。