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吉村・藤井研究室
山田研究室

Simulation And Virtual Environment

東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻
東京大学人工物工学研究センター

6.1 ニューラルネットワークを用いた生体情報処理

生体情報は多くの場合に、規則的な振動パターンの中にカオス的揺らぎを含む時系列データである。 生体系に何らかの異常事態が生じた場合、生体情報にも少なからず異常が発生すると考えられる。 したがって、様々な生体情報の変化を捉え、それらを総合的に判断することにより、 生体情報から生体系の異常を診断することが原理的に可能であると考えられる。

このような考え方は、流量や圧力の変動データを元にプラントの異常診断を行なう過程と 大きな共通点を有する。しかし、両者には大きな相違点が存在する。 第1は、生体情報には個体差が極めて大きいという点である。 第2に、生体系はプラントと比べて非常に複雑なメカニズムを有しており、 多様な生体情報の変化を総合的に判断することが必要である。 このために、医師や看護婦等の専門技術者による診断が不可欠となっている。

そこで、生体情報の診断法として、ニューラルネットワークを用いた次のようなモデルを提案する。

ステップ3のプロセスには、既開発のニューロ非線形多変量解析システムn-DESIGNを用いることができる。

* 生体情報の時系列データの学習

3章で述べたステップ1の研究の第一段階として、不規則な振動を有する時系列信号を対象として、 それを階層型ニューラルネットワークに学習させることを試みる。 具体的には、異なる周波数を有する正弦波を組み合わせたFig.2 に示すような時系列データを対象として、次の手順で行なう。

  1. 時系列データをu[1], u[2], ..., u[t],...のように時間方向に離散化する。
  2. {u[t-n+1],..., u[t-1], u[t]}のn個の連続する離散値を入力データとし、 u[t+1]を教師データとしてニューラルネットワークに学習させる。