7.1. 破壊力学パラメータの簡易評価システム
私達の身の回りには様々な機械や構造物が存在する。 これらに何らかの原因でき裂が発生した場合、き裂がどの程度危険かを定量的に評価することは、 機械や構造物の安全性や健全性を確保する上で極めて重要である。 しかし、一方で、き裂の評価には専門的な知識を必要とするため、 必ずしも人工物設計時にはき裂に対する評価はなされていない。
本研究室では、ハンドブックに掲載されている多数のき裂パラメータの評価式にオブジェクト指向分析を行い、 体系化して、Windowsパソコン上に構築することにより、初心者でも適切な破壊力学評価ができるような システムCRAPASを研究開発中である。現在、このシステムには 50個ほどの3次元き裂に対する簡易評価式が登録されており、 順次その機能拡張を行っているが、同時にこのシステムを学部学生の演習に適用し、 そのユーザビリティを調べたところ、ハンドブックを参照しながら行う評価に比べて、 その10分の1の時間で評価できるようになった。
なお、本システムのαバージョンを http://garlic.q.t.u-tokyo.ac.jp/~kawate/system/index.html において無料公開中である。
図:CRAPASの操作画面 |
発表論文
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"ユーザーフレンドリーな破壊力学パラメータの簡易評価システム:システムの
溝築と応力拡大係数評価式の実装"
材料、Vol.47, No.11, pp.1158-1163, (1998)
(川手秀樹、吉村忍、和田義孝、矢川元基)