7.4.1. リスク・ベネフィット解析に基づく原子力構造機器メンテナンス戦略
長期間利用される人工物の安全性と経済性の両者を担保するためには、 適切なメンテナンス(検査・補修など)を行うことが重要である。 しかし、丁寧な検査には時間とコストがかかるため、合理的な判断基準をもたない限り、 検査コストが高くても必ずしも適切な安全性が保たれない。そこで、PFM による破損確率の定量的な評価を元に、検査コスト、破損発生時の損失等を取り込んだ、 リスク・ベネフィット解析を行い、メンテナンスの最適化に関する手法の研究開発を行っている。
発表論文
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"確率論的破壊力学に基づく軽水炉配管のLBB成立性評価"
日本原子力学会誌、Vol. 39、No. 9、pp.777-787, (1997)
(吉村忍、矢川元基、秋葉博、藤岡照高) -
"分布関数の再帰方程式による確率論的破壊力学の解法の提案:第2報、決定的時間発
展系のC1級写像への拡張"
日本応用数理学会論文集、Vol.8, No.1, 81-106, (1998)
(秋葉博、吉村忍、矢川元基) -
"確率論的破壊力学に基づくSG伝熱管メンテナンス戦略の定量評価"
日本原子力学会誌、Vol.42, No.12, pp.1325-1333, (2000)
(匂坂充行、礒部仁博、吉村忍、矢川元基)