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: 実装 : 歪みと歪速度 : 解説   目次

微小変形、微小歪みの場合

微小歪みテンソル infinitesimal strain tensor $ {}^{t} [ \epsilon ] $ は、 対称テンソルであり、


$\displaystyle {}^{t} [ \epsilon ] = \mathrm{sym} \; { {}^{t} [ Z ] }$     (6.75)

これは未知量である。

その具体的な形は、次元のタイプによってそれぞれ定義される。 もし、3次元問題の場合、 3次元テンソル量を用いる。 もし、2次元問題の場合、 2次元テンソル量を用いる。 もし、軸対称問題の場合、 x, y成分は2次元テンソルで計算し、 zz成分については、 $\frac{ {}^{t} u_x}{ {}^{t} X}$ とする。

微小歪みテンソルは、実数の主値(主歪み principal strain)と 主軸(主方向 principal direction)、主不変量を持つ。

$ {}^{t} \epsilon_{ii}$$i$ について和をとらない)を垂直歪み normal strain、 $ {}^{t} \epsilon_{ij} (i \neq j)$ をせん断歪み shear strainと呼ぶ。 $ {}^{t} \gamma_{ij} = 2 {}^{t} \epsilon_{ij} (i \neq j)$ は 工学歪みのせん断成分である。

体積歪み volumetric strain $ {}^{t} \epsilon^V$ は、


$\displaystyle {}^{t} \epsilon^V = \mathrm{tr} \; {}^{t} [ \epsilon ]$     (6.76)

これは未知量である。

偏差歪みテンソル deviatric strain tensor $ {}^{t} [ \epsilon^{\prime} ] $ は、 対称テンソルであり、


$\displaystyle {}^{t} [ \epsilon^{\prime} ]
=
{}^{t} [ \epsilon ] - 1/3 {}^{t} \epsilon^V [ I ]$     (6.77)

これは未知量である。

偏差歪みテンソルについて、 主偏差歪み、主方向、主不変量(第1不変量は0)が定義できる。

微小歪み速度テンソル infinitesimal strain rate tensor $ {}^{t} [ \dot{\epsilon} ] $ は、 対称テンソルであり、


$\displaystyle {}^{t} [ \dot{\epsilon} ] = \mathrm{sym} \; { {}^{t} [ \dot{Z} ] }$     (6.78)

これは未知量である。

微小歪み速度テンソルについて、 主歪み速度と主軸、主不変量が定義できる。

この増分形は、


$\displaystyle \mathrm{d} {}^{t} [ \epsilon ] = \mathrm{sym} \; { \mathrm{d} {}^{t} [ Z ] }$     (6.79)

もし、非線型解析の場合、 これは未知量である。

その具体的な形は、次元のタイプによってそれぞれ定義される。 もし、3次元問題の場合、 3次元テンソル量を用いる。 もし、2次元問題の場合、 2次元テンソル量を用いる。 もし、軸対称問題の場合、 x, y成分は2次元テンソルで計算し、 zz成分については、 $\frac{ \mathrm{d} {}^{t} u_x}{ {}^{t} X}$ とする。

体積歪み速度、偏差歪み速度も同様に定義される。




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Hiroshi KAWAI 平成15年4月19日