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局所座標系

各節点 $In$ において、局所サーフェス座標系とその3つの基底ベクトル $ {}^{t} \{ V^x \} _{(In)}$ $ {}^{t} \{ V^y \} _{(In)}$ $ {}^{t} \{ V^z \} _{(In)}$ を指定する。

なお、 Lagrange型の有限変形問題では、 これらの基底ベクトルは時間(あるいは増分)に伴って変化する。 したがって、 位置および空間勾配の計算や積分領域について、 初期位置 $ \{ X \} = {}^{o} \{ x \} $ か 現在位置 $ {}^{t} \{ x \} $ に関するものの区別が必要となる。

局所z軸 $ \{ V^z \} _{(In)}$ はディレクターとも呼ばれ、 厚さ方向、すなわち面の法線方向を表す単位ベクトルである。 このベクトルは、 微小変形問題および、有限変形問題の変形の初期では$\zeta$ 方向と一致する。 有限変形問題での変形中は必ずしも $\zeta$ 方向と一致するとは限らない。

一方、 局所x軸 $ \{ V^x \} _{(In)}$ と 局所y軸 $ \{ V^y \} _{(In)}$ は互いに垂直で、 また局所z軸とも垂直な単位ベクトルである。


$\displaystyle \{ V^z \} = \{ V^x \} \times \{ V^y \}$     (5.40)

なお、 局所x軸および局所y軸方向は、上記の条件を満たす限り任意である。 ここでは、 局所x軸を全体座標系のY軸から面上に投影し、 これと局所z軸から局所y軸を定義する。


$\displaystyle \{ V^x \} = \mathrm{normalize}( ( \{ e \} _y \times \{ V^z \} ) )$     (5.41)

もし、局所z軸が全体Y軸と平行ならば、 上の代わりに、全体X軸を用いる。


$\displaystyle \{ V^x \} = \mathrm{normalize}( ( \{ e \} _x \times \{ V^z \} ) )$     (5.42)

したがって、


$\displaystyle \{ V^y \} = \{ V^z \} \times \{ V^x \}$     (5.43)

また、 面内異方性の物理量は、これらの軸を基準に設定されることが多い。

任意の自然座標 $ \{ \xi \} $ での局所座標系は、 節点での局所サーフェス座標系を形状関数によって補間することで得られる。


$\displaystyle \{ V^x \}$ $\textstyle =$ $\displaystyle \{ V^x \} ( \! ( \xi, \eta ) \! )
=
\sum_{In}
\{ V^x \} _{(In)} N_{(In)}$  
$\displaystyle {}^{t} \{ V^y \}$ $\textstyle =$ $\displaystyle \{ V^y \} ( \! ( \xi, \eta ) \! )
=
\sum_{In}
\{ V^y \} _{(In)} N_{(In)}$  
$\displaystyle \{ V^z \}$ $\textstyle =$ $\displaystyle \{ V^z \} ( \! ( \xi, \eta ) \! )
=
\sum_{In}
\{ V^z \} _{(In)} N_{(In)}$ (5.44)

なお、 隣接する2つ以上のサーフェス形状要素がなめらかに接続される場合には、 共有する節点で局所サーフェス座標系が等しくなる必要がある。


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Hiroshi KAWAI 平成15年8月11日