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: 変形勾配と変位勾配 : 物質点の位置と変位 : 実装   目次

解説

$ {}^{t} \{ x \} $$ \{ X \} $ との関係は、


$\displaystyle {}^{t} \{ x \} = \{ x \} ( \! ( \{ X \} , t ) \! )$     (6.4)

したがって、その逆関係が存在し、


$\displaystyle \{ X \} = \{ X \} ( \! ( {}^{t} \{ x \} , t ) \! )$     (6.5)

基準時刻 $t = o$ では、


$\displaystyle {}^{o} \{ x \} = \{ X \}$     (6.6)

連続体における任意の物理量 $ {}^{t} A$ の場 field とその変化を $ A ( \! ( \{ X \} , t ) \! ) $ または $ A ( \! ( {}^{t} \{ x \} , t ) \! ) $ で表すことができる。 前者を物質表示 material description またはLagrange表示、 後者を空間表示 spatial description またはEuler表示と呼ぶ。

物理量 $ {}^{t} A$ の場の時間微分として、 物質時間導関数 material time derivative $ \frac{ \partial A ( \! ( \{ X \} , t ) \! ) }{ \partial t } $ と 空間時間導関数 spatial time derivative $ \frac{ \partial A ( \! ( {}^{t} \{ x \} , t ) \! ) }{ \partial t } $ とがある。 固体力学では主に前者が用いられ、 $ \frac{ \partial {}^{t} A }{ \partial t } $ または $ {}^{t} \dot{A}$ として表す。

速度ベクトル $ {}^{t} \{ v \} $ は、 物質点 $ \{ X \} $ の現時刻 $t$ での位置ベクトル $ {}^{t} \{ x \} $ の 物質時間導関数であり、 これはまた、変位ベクトル $ {}^{t} \{ u \} $ の物質時間導関数でもある。 加速度ベクトル $ {}^{t} \{ a \} $ はこの物質時間導関数である。



Hiroshi KAWAI 平成15年4月19日