微小変形線形弾性での仮想仕事の原理式は、 (式 7.12 参照)
(11.28) |
ここで、 左辺は仮想仕事量(歪みエネルギー)、 右辺第1項は体積力仕事、 右辺第2項は初期歪みによる見掛けの仕事、 右辺第3項は初期応力による見掛けの仕事、 右辺第4項は表面力仕事(分布荷重、圧力荷重、および集中荷重による仕事)、 右辺第5項は加速度による慣性力の仕事 である。
これに上記の未知数の有限要素補間式を代入すると、 (各項については、以下の各節で具体例に説明する。)
(11.29) |
ここで、 要素 について、
は 要素剛性行列 の 節点 自由度 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素減衰行列 の 節点 自由度 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素質量行列 の 節点 自由度 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素体積力項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素初期歪み項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素初期応力項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
要素 の境界 について、
は 要素分布荷重項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
は 要素圧力荷重項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
節点 について、
は 全体集中荷重項ベクトル の 節点 自由度 に関する成分である。
この式は、任意の仮想変位自由度 について 成り立たねばならないから、すべての自由度 について、
(11.30) |
すなわち、
(11.31) |
ここで、 、 、 はそれぞれ、 システム全体での変位、速度、加速度の列ベクトルである。
そして、最終的に上記の有限要素離散化式が得られる。